ヒアルロン酸注射とは
ひざとヒアルロン酸の関係
ひざ関節は関節包という袋状の組織で包まれていて、その中は関節液という粘り気のある液体で満たされています。この液体はひざにかかる衝撃を和らげたり、ひざの動きを滑らかにしたりといった「潤滑油」のような役割をするのですが、この働きを支えている中心的な物質がヒアルロン酸です。
ヒアルロン酸注射で期待できる効果
変形性ひざ関節症などで関節内が炎症起こしていると、関節液は本来の粘り気が失われ、サラサとしています。こうなると関節液は潤滑油の役割が果たせなくなり、軟骨の磨耗も進行します。それに伴って炎症も悪化し、痛みも増幅します。
ヒアルロン酸注射は、関節液の粘り気や弾力性が一時的に回復します。その結果、痛みが改善します。
<治療の流れ>
-
1.ひざの消毒
ベッドなどに横になっていただき、注射するひざの表面を入念に消毒します。
-
2.ヒアルロン酸の注入
ヒアルロン酸を関節内に注入します。前後の処理を含めても、5分程度で終了します。
このような方におすすめします
以下の状態に当てはまる方は、ヒアルロン酸注射がお役に立てるかもしれません。
該当する方は、お気軽にご相談ください。
□ ひざ関節が動かしにくい□ ひざを動かすと痛みを感じる□ ひざの痛みが強いので運動療法が行えない□ ひざに頻繁に水がたまる□ 一時的でも構わないので早く痛みを取り除きたい□ 薬物だと副作用が気になる
<自由診療でヒアルロン酸注射を受ける意義>
ヒアルロン酸注射は保険診療でも受けることができます。しかし、保険の適用が認められているのは、変形性膝関節症と四十肩や五十肩などの肩関節周囲炎のみです。
その点、当院のような自由診療であれば、(医師がその必要性を認めたなら)場所を問わず、どの関節にも注射をして差し上げることができます。
保険診療で受けられない部位にヒアルロン酸注射をご希望の方は、当院までご相談ください。
安全性・治療後の注意点
注射治療なので、治療後に日常生活を大幅に制限することはありません。
ただ、治療後の生理的反応を助長させたり、リスクを高めないためにも、以下の点にご注意ください。
1.注射当日の入浴時は湯船に入らず、シャワー浴だけにしてください。2.注射後の激しい運動はお控えください(注入部位が腫れる可能性があります)。3.食事は通常通りで問題ありませんが、喫煙は控えてください。
<治療に伴うリスク>
局所の痛みや腫れなどが考えられます。また、ひざ関節は血流が少なく感染に弱い部位です。そこに針を刺すので感染症のリスクはあります。
これらの予防のため、注射前には入念に消毒を行います。できるだけ痛みを感じないよう針先にも注意をはらいます。
費用について
ヒアルロン酸注射
- 1本(2.5cc)
- ¥5,500(税込)
サイビスク
- 1本(2cc)
- ¥33,000(税込)
※各種クレジットカードでもお支払いいただけます。
初診料やMRI診断料、その他の治療の費用は、料金表ページをご確認ください。
医療費控除について
国民の医療費負担が高額にならないよう、国が設けた公的な保障制度です。制度のご利用を予定されている方は、支出を証明する書類(領収書など)が必要となります。領収書の再発行は致しかねますので、制度のご利用を検討されている方は、当院発行の領収書を確定申告まで大切に保管ください。
>確定申告書の記載方法は、『医療費控除用の記載例』を参考になさってください。
よくある質問
ヒアルロン酸注射は痛いですか?
ヒアルロン酸注射は痛いとおっしゃる方がいらっしゃいますが、おそらくそれは適切な位置に注入できていないのだと考えられます。
標的であるひざ関節腔内に注入すればほとんど痛みを感じません。もしよろしければ、ひざ関節専門の当院におまかせください。
ヒアルロン酸注射のメリットとデメリットを教えてください。
メリットとしては比較的早期に効果が実感できること、軟骨の保護作用が期待できること、注射なので全身に影響する副作用が出ないこと、費用がリーズナブルなことなどが考えられます。
デメリットは、効果が一時的であること、繰り返し使用すると効果が減弱すること、感染症のリスクがあることなどです。
急場をしのぐには良い治療ですが、長期間継続するものではないとお考えください。
ヒアルロン酸注射が効かなくなってきました。どうすれば良いでしょう?
ヒアルロン酸を繰り返し投与することで、徐々に効果が得られなくなる、あるいは効果の持続時間が短くなるということはありえます。これはひざの損傷具合がヒアルロン酸ではごまかしきれないくらい進行していることを意味しています。
対策としては、痛みを回避する治療から、痛みの根本を改善する治療にシフトすることが考えられます。例えば手術治療もその一つですが、当院ではより低侵襲な培養幹細胞治療やPRP-FD注射といった治療をご提案しています。これらは再生医療(またはそれに準じた治療)で、痛みだけでなく、関節の機能そのものの回復も期待できる治療法です。手術のように体に負担をかけないので、高齢の方にも無理なく受けていただけます。